きっと一度は耳にしたことがあるBMX(ビーエムエックス)というスポーツ、何となく自転車競技の一つだということはわかっても、実際にどのような競技なのかイメージできる人はどれくらいいるでしょうか。

こちらの記事では前後編に分けて、BMXフラットランドというスポーツの魅力と、実際のはじめ方などについてご紹介していきます!

BMXは子供の遊び!?

そもそもBMXとは”バイシクル・モトクロス”の略で、70年代アメリカで子ども達がバイクのモトクロス競技に憧れて自転車で真似をしたのが始まり。
実はBMXのタイヤサイズは大人用のものでも20インチ(約50cmほど)とかなり小ぶりなんですが、これは当時爆発的に流行っていた子供向けモデルの自転車を、オフロードで走りやすいように改造して乗り始めたことに由来しているんです。
今では西海岸のビーチを歩いていると、ランニング、スケートボードと同じくらい自然に、BMXに乗って気持ちよさそうに走っている人を見かけるようになりました。

最初はモトクロスの真似事だったものが、しだいに本格的なレースとなり、さらには独創的なトリック(技)で表現するフリースタイルというカテゴリーも生まれました。
当時の子ども達が、数十年後に何十万人と言う人々を熱狂させる小さなタイヤの自転車を見たら、きっと誇らしく思うんじゃないでしょうか。

同じBMX、だけど何もかもがちがう!

一言でBMXと言ってもそのジャンルは様々で、大きく分けると土やアスファルトで作られたコースを数人が同時に走ってタイムを争う「レース」と、複雑でダイナミックなトリックを繰り出して自分なりのスタイルを競う「フリースタイル」にわかれます。

さらにフリースタイルはおおまかに3つのカテゴリーで区別され、平らな場所でフィギュアスケートの様にクルクルと複雑なトリックをつないでいく「フラットランド」、街中の起伏を利用してトリックを決めていく「ストリート」、専用の施設に設置されたアイテムを使い大きなジャンプで魅せる「パーク」と、それぞれ使用するBMXの特徴も違えば、やっている人間の個性までまるで違ってきます。

コツコツ型に向いている?フラットランドの魅力

人と接触したり大きく飛んだりする他のBMX競技に比べて怪我のリスクは少ないBMXフラットランドですが、実はBMXストリートのアスリートでさえ「フラットランドはマジでヤバイ」と言ってしまうほど熾烈な競技なんです。

というのも、ストリートのトリックが何十回練習して初めてできるかできないかと言われるのに対し、フラットランドはメイク(成功)するまで何百回、何千回と失敗し続けることもザラだというのがその理由。
ただでさえめちゃくちゃ難しいうえ、他のBMX競技に比べると大きな動きが少ない分、同じ動きをひたすらに延々と繰り返し練習しつづけるコツコツ系の性質が求められます。

もちろんその分メイクした時の気持ち良さは格別で、子供の頃ハマったけん玉の、あの何度も練習して技を決めた時の気持ちよさに少し通じるところがあるかもしれません。

他者ではなく自分との戦いを楽しみ、コツコツと独創的な表現を作り上げていく、そんな楽しみ方ができるのがBMXフラットランドの一番の魅力です。

BMX フラットランドは世界中どこでもできちゃう

特にコースや起伏も必要なく、平らな場所があればどこでもパフォーマンスできてしまうのもフラットランドの魅力の一つ。
駅前や広場で見かけることも多く、一番身近なBMXといってもいいかもしれません。

路面の質もスケートボードほどこだわらないため、世界中どこへ行ってもプレイすることができます。
いつか世界の路上でその国のパフォーマーと気軽にセッションできたらなんて、考えただけでワクワクしますね。

競技としてのBMX フラットランド

自分なりの世界観を表現することにウエイトをおくBMXフラットランドですが、競技という側面でいえば個性のぶつけ合いが面白いスポーツでもあります。
技のオリジナリティーやつなぎ方、観客の盛り上げ方など、トリックの難易度だけではないそれぞれのスタイルが勝敗を大きく左右するため、公式戦でもエンターテイメント性の高い戦いが繰り広げられます。

東京オリンピックの種目となったことで注目を集めているBMXパーク・ストリートにつづき、BMXフラットランドも2019年から世界選手権の種目として採用され、早速女子男子ともに日本人が表彰台へ上がるという快挙を成し遂げました。
どのスポーツにも言えることですが、世界と戦うためのステージが大きければ大きいほど、競技の盛り上がり方も全く違ってきます。
今後BMXフラットランドというスポーツにますます注目が集まることは間違いありません。

フラットランドが好きになっちゃう動画

こちらはコンテストの映像ですが、プレイヤー同士がお互いにリスペクトし合っている感じが伝わってきます。

海外のクルーが日本で撮影した映像作品。
乗る人のマインドが、それぞれのスタイルを作っていくんですね。

活躍しているトップランナー紹介

内野洋平(うちのようへい)
日本を代表するライダーで、世界タイトル11回獲得。
年間ワールドチャンピオンにも3度輝いており、文字通りフラットランド界のカリスマ的存在。
アスリートとしてだけではなく、メディアへの露出や数万人規模のストリートスポーツのコンテストを主宰したりと、BMXにおさまらずストリートスポーツ全体の裾野を広げつづける。
ウッチーの名で親しまれ、オリジナルトリックのウッチースピンは世界共通のトリックとして人気。

さて、少しはBMXフラットランドの魅力が伝わったでしょうか?
後編では【HOW TO BMXフラットランド】として、フラットランドの始め方から安全なトレーニング方法までビギナーの疑問に応えて行きたいと思います!

photo by Satoshi Saijo